こんにちは、松山市の司法書士・行政書士 菊池俊幸です。

今回は、「遺言書には何を書いたらいいのか?」というテーマでお話しします。
遺言書は、自分の財産の行き先や、家族への想いを残すための大切な書類です。
しかし、書いた内容がすべて法律上の効力を持つわけではありません。
せっかく遺言を残しても、内容によっては法的に意味を持たないこともあるため、「何が効力を持つのか」を知っておくことが大切です。

遺言書に書くと法律上の効力があること
民法では、遺言によってできることがあらかじめ定められています。
主な項目は次のとおりです。

① 財産の分け方(相続分の指定・遺産の分配)
たとえば「長男に自宅を相続させる」「預貯金の半分を妻に相続させる」といった指定ができます。また、相続人以外の特定の人に財産を渡す「遺贈」をすることも可能です。

 ② 相続人の廃除や取消し
著しい非行などがある相続人を相続から外すことができます。ただし、家庭裁判所の手続きが必要になります。

 ③ 遺言執行者の指定
遺言の内容を実際に実行する人(遺言執行者)をあらかじめ決めておくことができます。

 ④ 認知や未成年後見人の指定
婚外子を認知したり、未成年の子どもに後見人をつけたりすることができます。身分関係に関する重要な事項も遺言で定めることが可能です。

遺言書に書いても法律上の効力がないこと
一方で、遺言に書いても法律上の効力が発生しない項目もあります。
主な例は次のとおりです。

 ① 葬儀の方法やお墓のこと
「葬儀は家族だけで」「遺骨は〇〇寺に納めてください」といった内容は書いても構いませんが、法的な拘束力はなく、あくまで希望やお願いとして扱われます。

 ② 財産以外の約束や依頼
「長男に家業を継いでほしい」「次男に母の面倒を見てほしい」といった内容は、道義的なお願いにとどまり法的義務にはなりません。たとえ守られなくても法律上の強制はできません。

 ③ 財産権のないもの(ペットの世話など)
「愛犬の世話を〇〇さんにお願いしたい」といった内容も法的効力はありません。

 ④ 感謝や想いのメッセージ
「家族への感謝」「ありがとうの言葉」などは法的な効力こそありませんが、家族の心の支えになる大切なメッセージです。実際の遺言では、こうした言葉を最後に書き添える方も多くいます。

 以上のように、遺言書に書いた内容すべてが法律上の効力を持つわけではなく、法的に効力がある事項と想いを伝えるための事項に分かれます。効力のある部分は、正確な書き方と形式を整えることが大切です。一方で、効力のない内容であっても、家族に自分の想いを伝えるという点では大きな意味があります。

せっかく遺言書を書くなら、法律面と気持ちの両方を大切にした遺言書を作って、残された家族に安心を残すようにするとよいと思います。

 

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