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家族信託(民事信託)について
近年、高齢化社会が進み認知症患者が増えてきたことで、認知症対策と相続対策を同時にできる制度として家族信託(民事信託)が注目を集めています。
認知症に対しては成年後見制度という支援制度があります。成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより、意思能力・判断能力が不十分になった場合に場合に利用する制度で、家庭裁判所から選任された成年後見人が本人のために本人に代わって財産管理や身上監護を行う制度です。
成年後見制度は、本人の生活支援などのために財産管理を行う制度ですので、相続人や家族にメリットのある行為(資産の組換え、賃貸アパートの売却、建替え等)は原則としてできません。
しかし、家族信託(民事信託)を利用すると、信託契約に盛り込むことで、本人が認知症になった後も資産の組換え、賃貸アパートの売却等の財産の管理運用も可能となります。家族に財産の管理・運用を託して、財産から得られる収益を自らが受け取ることができ、本人が認知症になった後も財産が凍結されず、家族が引き続いて財産の管理・運用を続け、本人は財産から得られる収益を受け取ることができます。
さらに、家族信託(民事信託)では、本人死亡後の資産の承継先も自由に指定できます。民法上は、遺言は遺言者本人の財産の承継先を指定することはできますが、遺言者本人死亡後の後継者の財産の承継先を指定することはできません。しかし、家族信託(民事信託)であれば、自分が亡くなった後、財産を妻に承継させ、妻が亡くなった後は、長男に承継させるといったことが可能です。
★委託者・・・財産を受託者に託す人
★受託者・・・委託者から託された財産(不動産、預貯金等)を管理運用する人
★受益者・・・託された財産から生じる利益を受け取る人
一般的には、家族信託は認知症対策として利用されます。
たとえば、父(委託者)が、長男(受託者)に賃貸アパート、預貯金の管理運用を託し、託された長男(受託者)が賃貸アパート、預貯金の運用益を、父(受益者)に渡すといった方法で利用されます。
このような内容の家族信託契約をしておけば、たとえ父親が認知症になったとしても、賃貸アパートの管理ができなくなったり預貯金が凍結されたりすることなく、長男(受託者)が賃貸アパート・預貯金の管理運用を続けることができ、父親も生活費として賃貸アパート・預貯金の管理運用益を受け取ることができます。
さらに、家族信託契約の中で、父親死亡後の資産の承継先を定めておくことで、遺言と同様の効力を持たせることができます。
家族信託は、財産の管理運用を託せるだけでなく、成年後見制度及び遺言の代用もできるため非常によい制度です。しかし、万能ではありません。そもそも家族信託に向かないケースもあります。家族信託では、受託者を誰にするかが非常に重要です。家族の中に安心して財産を託せる人がいなければ、家族信託はできませんし、財産を託せる人がいる場合でも、家族信託をしない方がいい場合もあります。
不動産は、認知症になると売却その他の契約ができなくなるため、家族信託契約をしておくことは認知症対策として有効です。しかし、自宅のみの不動産を所有している方で、預貯金をたくさん持っているため認知症発症後に自宅を売却する可能性のない方は、家族信託をするメリットはあまりないと考えています。また、認知症発症後の預貯金凍結防止のため、預貯金について家族信託をすることも有効ですが、預貯金であれば金融機関に認知症対策の信託商品があるため、信託する金額によっては、金融機関の信託商品を利用する方が安く済む場合があります。
個人的には、主に家族信託の対象になる方は、不動産を所有している方のうち、賃貸アパートを所有している方、自宅を所有している方で将来介護施設に入居した後に売却の可能性がある方になると考えています。
お話を聞かせていただいて、家族信託をすべきであるか、すべきでないか、あるいは、他の制度(成年後見制度、遺言等)を利用する方が良いかについて、十分検討してご説明させていただきます。
当事務所司法書士は、一般社団法人家族信託普及協会会員であり、家族信託専門士の資格を有していますので、安心してご相談ください。
家族信託については、信託契約書の内容(複雑さ、難易度)、信託に組み入れる不動産・金融資産の金額によって手続費用が異なります。お問い合わせいただきましたら、内容の聞き取りをさせていただき、見積額の概算をお知らせします。
正式に受任する前には、必ず見積書を提示いたしますので、見積書をご確認の上、ご依頼ください。
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