
こんにちは。松山市の司法書士・行政書士 菊池俊幸です。
今回は、「昔、遺産分割協議書を作ったけれど、不動産の相続登記をしないまま何年も経ってしまった…。今からでも登記できるの?」というご相談についてお話しします。
結論から言うと、古い遺産分割協議書でも、相続登記は可能です。
よくあるご質問に、「印鑑証明書の発行日が何年も前だけど使えるの?」というものがありますが、相続登記で使う印鑑証明書には“有効期限”はありません。発行から時間が経っていても、問題なく使えます。
ただし、いくつか注意点があります。
・協議書にすべての相続人の署名・実印の押印があるか
・印鑑証明書がちゃんと添付されているか
・協議書の中に、対象となる不動産がきちんと記載されているか
こうした点に不備がないか、事前にしっかり確認することが大切です。
また、当時の相続人の中に、現在は亡くなっている方がいる場合でも、協議書作成時にその方がご存命で、署名・押印がされており、当時の印鑑証明書があれば問題ありません。
一方で、「協議書が見つからない」「そもそも作っていなかった」という場合は、あらためて遺産分割協議をやり直す必要があります。年月が経つと相続人が増えていたり、関係が希薄になっていたりして、話し合いが難しくなるケースもあります。できるだけ早めに対処されることをおすすめします。
そして最後にもうひとつ大切なお知らせです。
2024年4月から、相続登記が義務化されました。亡くなった方の不動産は、原則として3年以内に登記しなければならなくなりました。古い協議書がある場合でも、そのまま放置せず、なるべく早めに相続登記するようにしてください。