
こんにちは、司法書士・行政書士 菊池俊幸です。
今日は、遺言の業務で、寝たきりで余命わずかな方の遺言を何件か作成したことがありますので、そのことについてお伝えしたいと思います。
遺言は、遺言者本人の意思さえはっきりしていれば、寝たきりの状態で字が書けなくてもすることができます。
このような方の遺言は、公正証書遺言の方法で行います。事前に遺言したい内容を公証役場に伝えて遺言案を作成しておいて、公証人と証人(当職が証人になります)が病室に訪問し、遺言者に事前に作成したおいた遺言案の内容に間違いないか聞き取りをして完成という流れになります。
遺言者は、病院のベッドで寝たままで公証人の質問に答えると遺言が完成します。遺言者が署名が可能であれば遺言書に署名してもらいますが、できなければ公証人が署名を代筆しますので署名できなくても大丈夫です。
公正証書遺言以外では、特別な遺言方法として、死亡の危急に迫っている場合に3人以上の証人の立ち合いで、その一人に遺言の内容を口述して行う危急時遺言という方法がありますが、特殊であまり例がなくほとんど作成されていないと思います。
余命わずかな方が公正証書遺言をされたい場合は、公証役場にその旨を伝えると急ぎで対応してもらえます。私のお客様の例では、最速では、本日遺言作成の依頼を受けて、翌日には公証人と病院に訪問、遺言作成したこともあります(実際には、その時の公証役場のスケジュールの事情にもよると思います)。
寝たきりで手も動かなくなって余命わずかとなったとしても、遺言書を作ることは可能ですので、そのことを覚えておいていただけたらと思います。