
こんにちは、司法書士・行政書士 菊池俊幸です。
4月10日付け愛媛新聞第7面に、過去最多の26万件の相続放棄が受理されたとの記事がありました。相続放棄の件数は、少なくとも2015年以降は毎年増加しているとのことです。
相続放棄とは、相続人である地位を喪失させる手続です。相続登記のご相談をいただく際に、田舎に山や畑があるのでその不動産だけ相続放棄できないかとよく聞かれるのですが、一部の財産だけ相続放棄することはできません。相続放棄をすると、全ての財産・債務(プラスの財産、マイナスの財産の全て)の権利・義務を放棄することになります。
相続放棄ができる期間については、民法で「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」と規定されています。つまり、自分が相続人となったことを知ってから3か月以内に相続放棄をしなければなりません。具体的には、子が相続人になる場合には親が亡くなったことを知ってから3か月以内となります。もし子が全員相続放棄した場合は亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になりますが、この場合は、子が全員相続放棄して自分が相続人となったことを知った時から3か月以内となり、亡くなったことを知ってから3か月以上経っていたとしても相続放棄が可能です。